大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和41年(行ケ)99号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕(取消事由の有無について)

二 本件審決が、本願出願の明細書には、原告の挙げた六項目(他の点に明確にされたことは被告の認めて争わないところである。)について発明の目的構成等が容易に実施できる程度に記載されていないから、特許法第三十六条第四項及び第五項の要件をみたしていないとしたことは、<書証>明らかであるが、本件審決の右判断は、事実の認定解釈を誤つたものといわざるをえない。すなわち、原告挙示の諸点に関する訂正明細書の記載と<書証>を総合考量すると、本件審決が明細書の記載をもつて内容不明とした点は、訂正明細書の関係記載により、各点につき原告が説明するとおりの内容と理解することができ、これらによれば、その趣旨とするところは、一応明確にされたものと解するのが相当であり、したがつて、本願の明細書(訂正明細書を含めて)には、前六項についても、当業者が容易に実施しうる程度に本願発明の目的、構成、効果が記載されているものと認めることができる(本件審決は、一件記録に徴するに、願書に最初に添付した明細書、審査手続中に提出された昭和三十八年七月十五日付意見書代用手続補正書の各記載の不完全な字句、図面に拘泥し、訂正明細書による補正を重視しなかつた感を免かれない。)。

(むすび)

三 叙上のとおりであるから、その主張の点に判断を誤つた違法のあることを理由に本件審決の取消を求める原告の本訴請求は、理由があるものということができる。よつて、これを容認する。

(三宅正雄 武居二郎 楠賢二)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!